行きたい町がある、旅の愉しみ
こんにちは、たびなかです。
先日、旅好きな青年と旅の話で盛り上がり、彼も私と同じく古い町並みが残る町が好きということで、おすすめの町をいくつか紹介しました。そして、気づけばこんな提案までしていました。
「アクセスの良い場所は年をとってからでも行きやすいから、行きづらいところほど若いうちに行っておくといいかも」と。
というのも、お互いに「いつか必ず行きたい場所」として妻籠宿の名前が挙がったからです。
私が初めて妻籠宿へ行きたいと思ったのは、中学生の頃。
友人からもらったお土産のテレフォンカードがきっかけでした。
そのカードに写っていた妻籠宿の町並みにすっかり魅了され、以来、妻籠は「行きたい場所リスト」の上位にあり続けています。
しかし、気づけば数十年が経った今でもまだ訪れることができていません。その理由は明確です。
妻籠はアクセスが悪く、予算も意外とかかるため、ついつい「同じ日数と予算なら海外へ行っちゃおう」と考えてしまい、先送りを繰り返してきました。
そんな中、実は1度だけ妻籠を訪れるチャンスがありました。それは、20年ほど前のこと。
夏休みを利用して、車の後部座席に布団を敷いて車中泊をしながら(当時よくやってました)、奈良井宿から馬籠宿までの木曽路を思うままに旅する計画を立てたのです。
旧街道沿いに広がる古い街並みを心ゆくまで堪能し、「いよいよ明日は念願の妻籠宿だぁ!」と、心躍らせながら車を走らせていた夜のこと。
突然、大阪に住む一人暮らしの叔母から電話が入りました。
「骨折して入院したの。近くまで来てるなら手伝いにきてくれないか」と。
そこから大阪までは4時間弱。宿を予約しているわけでもないし、行けない理由はありません。
真っ暗な中山道を抜け、そのまま大阪へ向かうことになり、妻籠への訪問はまたもやお預けとなったのです。
それ以来、まだ妻籠宿を訪れる機会には恵まれていません。
だからこそ、彼には「行ける機会があるなら、ぜひ優先して行ってほしい」と心から思ったのです。
ちなみに、今夏に妻籠宿を訪れた知人から土産話を聞いたことで思いが再燃。そして青年との会話も後押しとなり、来年の旅の計画に妻籠宿を組み込むことにしました。
こうしてみると、「行きたい場所がある」というのは、なんて愉しいことだろうと改めて感じます。
「行きたい」と思ったその瞬間から、「いつ行こうかな」「誰と行こうかな」「どうやって行こうかな」「どこに泊まろうかな」「何を食べようかな」と、頭の中にたくさんのワクワクをもたらしてくれるのですから。
そう考えると、私にとって妻籠宿は、どこよりも長く私をワクワクさせ続けてくれる特別な場所のようです。
それがいよいよ実現し、そのピリオドを迎えるのかと思うと、それはそれで少し寂しい気持ちもわいてきますが、「この蕎麦屋に行くならレンタカーだな」「ここも行きたいな」「ここでバスを使うのは厳しいか」などと、もうシミュレーションが止まりません。
妻籠宿への旅は、もう始まっちゃいました!